ハープを弾くために知っておきたいこと
「ハープってどんな楽器?」というご質問をいただくと私たちはまず、「響板に直接弦が張られている弦楽器です」とお答えしています。
このことばには、いくつかの意味がこめられています。
ハープはヴァイオリン、チェロなどと同じく弦楽器です
- ・チューニング(調弦)は演奏者がその都度行います
- ・弦は消耗品であり、しばしば切れることがあります
ハープは弦の振動が直接響胴に伝わる撥弦楽器です
- ヴァイオリン、ギター等の弦楽器は、駒(プリッジ)を介して弦の振動が響板(表板)に伝わりますが、ハープにはそのようなものがなく、弦の音そのものの振動が直接響胴に伝わり、繊細な音から力強くダイナミックな音まで、様々な音が表現可能となり、ハープ独特の音色を作り出しています。
ハープは弦の張力によって響板が常に引っぱられている状態にある楽器です
- 弦の張力で響板を押さえているヴァイオリンと違い、弦の張力は響板を響胴から引き剥がす方向に働きます。
- ヴァイオリンのように200年、300年と使い続けることはできません。
- また、常に弦の張力の影響を受け続けている楽器であるため、ペダルハープやレバーハープ(フックハープ)では、ペダル、フックを操作した際の半音間の音程を正しく合わせていく調整(レギュレーション)という作業も定期的に必要になります。
- 日常的なチューニング(調弦)と異なり、これは専門の技術を持った者の行う作業です。
- 楽器をよりよい状態でお弾きいただくためには、こういった調整作業を含めたオーバーホールを数年に一度、行っていただくことをお奨めいたします。