ソロ コンサート、管弦楽、吹奏楽に 充実のラインナップ
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サロンコンサート、アンサンブルに 個性豊かなラインナップ
「楽器の女王」の誕生
シングルアクションハープのペダルスロット。階段状のスロットの中をペダルが上下に動きます。ハープの起源は古く、もっとも歴史の長い楽器の一つですが、ペダル・ハープの歴史は意外に短く、現在のようにペダルで音を操作するようになったのは1720年頃。とはいっても、現在のハープのペダルとは違い、「シングルアクション」と呼ばれる、1段階(半音)のみ音を換えることができるものでした。
絵画で有名なマリー・アントワネットが弾いているのも、このシングルアクションシステムのハープ。同時代のモーツァルトが作曲したあの有名な「フルートとハープのための協奏曲」も、実はこの時代のシングルアクションハープのための曲でした。
シングルアクションからダブルアクションへ
現在のハープのペダルスロット。スロットの中のペダルは3段階に動きます。1800年代になり、フランスのエラールが現在のペダルハープの原型となるダブルアクションハープを生み出します。ダブルアクションハープでは、ペダル操作により2段階(全音)音を変えることができます。そのことにより、同名異音を利用した共鳴音のみで構成される和音的グリッサンドという、他の楽器にはない特色を持つことになり、ハープの新たな可能性が生まれました。
この後もペダル・ハープには様々な改良が加えられ、その繊細な音色と優美なフォルムから「楽器の女王」という呼び名を与えられています。
セミ・コンサートタイプとフル・コンサートタイプ
47F Princess SAKURAフルコンサートタイプ(左)とセミコンサートタイプ(右)ペダルハープ(グランドハープ)は大きく分けると「セミコンサートタイプ」と呼ばれるものと、「フルコンサートタイプ」と呼ばれるものの2種類があります。7本のペダルを使って半音を切り替えながら弦を弾いて演奏する点ではまったく同じですが、楽器の大きさが10センチほど違っています。
ダブルアクションハープが登場した初期の頃は、ハープはサロン演奏や室内楽などで用いられることがほとんどで、あまり大きな音は必要ではありませんでした。しかし、管弦楽や吹奏楽などハープの活躍の場が広がるにつれ、大ホールでの演奏にも十分応えられるだけの音量が要求されるようになります。そのため、ストレートボディから羽根のついたラウンドボディへの変更、弦長の延長、胴の容積の拡大、響板の面積の拡大など、徐々に様々な変更が加えられ、一回り大きなタイプのハープが誕生いたしました。
現在ではこの新しい大きなタイプの楽器を「フルコンサートタイプ」と呼び、従来のやや小型のものを「セミコンサートタイプと呼んで区別しています。
この2つのタイプのペダルハープは、力強い音を表現できるフルコンサートタイプはソロリサイタル、オーケストラやブラスバンドとの共演などで、柔らかな音が特徴のセミコンサートタイプは室内楽やサロンコンサートなどでそれぞれ活躍しています。